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カテーテルアブレーションとは?

こんにちは。くま次郎です。先日受けた「カテーテルアブレーション」についてお話したいと思います。

正式には経皮的カテーテル心筋焼灼術と呼ばれ、足の付け根や首の静脈からカテーテルと呼ばれる細長い管を挿入し、先端を心臓内の異常な箇所にあてて高周波電流で焼灼します。アブレーションにより一定の温度以上に上昇した心筋は不整脈の原因である電気を伝えたり発生することができなくなります。これにより、対象の不整脈が消失します。

「カテーテルアブレーション」によって治療可能な不整脈は、心房細動、心房粗動、発作性上室性頻拍、心房頻拍、心室頻拍、心室期外収縮などで、ほとんどの不整脈が治療可能とされています。

治療の仕方ですが、全身麻酔で行う場合、鎮静薬でうとうとした状態で行う場合、カテーテル挿入部位の局所麻酔のみで行う場合があります。治療にかかる時間は、1時間程度から数時間以上かかる場合まで様々です。くま次郎の場合は全身麻酔で、治療に要した時間は約2時間でした。

術後は止血のために安静が必要です。自分の場合は3時間絶対安静で6時間経過後に寝返りができるようになりました。そして翌朝までは歩行不可でした。この間、腰の痛みなどが辛いという話をよく聞きますが、自分の場合はさほどでありませんでした。

心房細動における治療の成績ですが、発作性心房細動で80~90%、持続性心房細動でも持続期間が1年未満であれば80~90%で発作性心房細動とほぼ同じです。ただし慢性心房細動では治療成績が悪くなります。10年までの持続期間で70~80%ですが、10年を超えると50%未満と言われています。(複数回治療を行った場合を含みます)

心房細動におけるカテーテルアブレーションに起因する重大な合併症には、脳梗塞心タンポナーデ心房食道瘻があります。脳梗塞は脳の血管に血栓が詰まってしまう病気です。心タンポナーデは心臓に穴が開きその出血により心臓を圧迫してしまう合併症です。そして心房食道瘻は食道潰瘍ができ、心房と食道の間に連絡路ができてしまう合併症です。これらの合併症は重篤化すると命にかかわります。それぞれ発生の可能性は大変低いですが、リスクがあるということは知っておく必要があります。

入院期間は3~5日で医療機関や病状により異なります。治療費は200万円~250万円となりますが、健康保険の「高額療養費制度」が適用になります。「カテーテルアブレーション」を受けるか受けないかについては、メリットとデメリットを比較して検討する必要があります。主治医の先生から十分な説明を受けて、最良の治療法をを選ぶようにしてください。

心房細動とは?

こんにちは。くま次郎です。今日は「心房細動」についてのお話をしましょう。

心臓はおおまかに右心房・左心房・右心室・左心室の4つで構成されています。右心房上部には洞結節という電気的興奮(電気信号)を発生する部分があり、洞結節→心房→房室結節→心室へと電気的興奮が伝わることにより心筋が収縮し、これが拍動をつくります。この速さは通常1分間に60~100回程度で、規則的な心拍となります。

心房細動は、心房細動起源と心房細動基質という2つのうち片方または両方が存在することによって発生します。心房細動起源とは洞結節以外の場所から異常な電気的興奮(電気信号)を発生してしまうことで、1分間に500~600回もの興奮を発生します。これにより心房の興奮は1分間に200~300回となり、痙攣(けいれん)したような状態になります。途中、興奮が伝わる速さが遅いため、心室に届くころの興奮は多くが打ち消され、1分間に100~200回となります。ここでは心房細動基質については説明を省略します。

上記のような流れで心房細動が発生すると、心拍数(心臓の拍動する回数)が毎分100〜200回以上(通常は安静時で60〜80回)と速くなり、また不規則になります。症状としては、胸のドキドキ(動悸)やモヤモヤ(不快感)、胸苦しさ息苦しさなどが現れます。人によっては、立ちくらみめまいを感じる場合もありますが、逆に、全く症状がない方もいるそうです。次の波形はくま次郎自身の心電図で、上が心房細動時、下が平常時です。

心房細動が起こると、心房内の血液がよどんで血栓ができ易くなります。これが脳の血管に運ばれてつまると、心原性脳塞栓症という脳梗塞を発症します。脳梗塞は命にかかわる重大な病です。心房細動を放置すると、脳梗塞のリスクを大幅に高めてしまいます。この点からも、心房細動は治療が必要と言えます。

心房細動を持続時間で分類すると、発作が短時間で治まる「発作性心房細動」、発作が1週間以上続く「持続性心房細動」、発作がおよそ1年以上続く「慢性心房細」の3種類に分けられます。一般に、後者の方が治療は難しくなってきます。また罹患期間が長くなるにつれ、発作性→持続性→慢性へと移行することもあります。

心房細動の治療は大きく3つに分けられ、(1)薬物療法(不整脈を抑える薬や心拍を遅くする薬を処方する)、(2)電気的除細動(電気ショックにより心房細動を取り除く)、(3)カテーテルアブレーション(高周波電流で心筋を焼灼し、不要な伝導路に電気的興奮が伝わらないようにする)があります。(1)(2)は対症療法で、(3)は根治可能な治療法です。

心房細動は脳梗塞のリスクを高めてしまうため、心房細動の治療では、抗凝固剤を用い血液をサラサラにする治療を並行して行いいます。これにより心房内に血栓ができることを予防し、脳梗塞のリスクを低減します。抗凝固剤を用いると、出血が止まりにくくなるので注意が必要です。

心房細動の原因はよくわかりませんが、危険因子として加齢、肥満、ストレス、高血圧・糖尿病など別の病気、狭心症など他の心臓病、お酒の多飲、睡眠時無呼吸症候群などがあるようです。加齢は避けることができませんが、◎健康的な食生活を心がけて心臓の負担を減らすことが心房細動の予防につながります。

くま次郎はこの「心房細動」に罹患し、カテーテルアブレーションの治療を受けました。簡単に「心房細動」について説明させていただきましたが、あくまでも1人の患者として勉強した内容ですので、必ずしも正確ではありません。実際に不整脈や心房細動が疑われる場合は、受診をして医師の指導に従って下さい。

 

 

不整脈治療レポートと術後の注意

くま次郎です。ここではカテーテルアブレーション後の説明や術後の注意事項についてお話します。

今回お世話になった「東京ハートリズムクリニック」では検査の結果や治療後の結果を冊子として渡してくれます。下記が手術後に頂いた、「不整脈治療レポート」です。内容は、焼灼部分の画像、アブレーション前後の心電波形(異常な信号の消滅が確認できる部分)、12誘導心電図(術前と術後)、CT検査での心臓の3D画像(冠動脈の状態など)、レントゲン写真(胸部単純撮影)、血液検査の結果などです。

専門的な内容なので素人には難しいですが、多くの情報を開示して詳細に説明するということは、治療や技術に自信を持っているからできるのでしょう。こういった点でも、K医師は信頼できる先生と言えます。

次に、カテーテルアブレーション後の注意事項ですが、下記のようなプリントをいただき説明を受けました。

(1)術後は一過性の心房細動が出現しやすい。(約1カ月間)

(2)術後は脈が速くなることがある。しかし、心臓に悪い影響はない。

(3)合併症として「心房食道瘻」がある。疑われる場合はすぐに受診すること。

(4)1カ月は禁酒。その後もビール中ビン1本または日本酒1合まで。

(5)退院後は日常生活可。1カ月は激しい運動を避けること。

(6)きちんとした食生活を心がける。特に塩分とカロリーは控えめに。

くま次郎としては、禁酒・節酒が一番辛いですね。しかし、入院前に「心房細動」が頻発していた事を考えると再発は避けたいです(汗)とりあえず、1カ月後の診察まで頑張りましょう。

カテーテルアブレーションの費用

こんばんは。くま次郎です。

今日はカテーテルアブレーションの費用についてお話したいと思います。一般に、心房細動のためのカテーテルアブレーション治療は3泊4日~4泊5日で行われますが、これは医療機関や患者の状態によって異なってきます。今回僕が受けた治療は4泊5日でしたので、その前提でお話をします。全費用はおよそ200万円~250万円とかなり高額ですが、そのほとんどは健康保険で賄われます。

まずは、入院手術全般で保険診療の部分ですが、237318点×10割=237万3180円となります。普通に3割負担ですと、237318点×3割=71万1954円が負担分になるのですが、高額療養費制度があるので、実際には限度額を超えた分は後ほど戻ってきます。また、この3割負担分も高額なので、事前に「 限度額適用認定証」を病院に提出すれば、病院では「限度額」のみを支払えば良いことになります。僕の場合は、区分イ(標準報酬月額が530,000円以上830,000円未満である者)に該当し、自己負担限度額は167,400円+(総医療費-558,000円)×1%で、18万5552円でした。(青囲みの金額)

その他、自費分(保険外)の費用は黄色で囲んだ金額です。食事負担額(5日分)が、3960円。診断書2通、院内着・タオル等(5日分)、弾性ストッキング、T字帯の合計が、19160円。室料差額が15000×5日=75000円で、計98120円でした。(※左側の食事療養の黄色囲みは保険扱いのため間違いです。自費分の黄色囲みは3カ所です。)

保険分18万5552円と自費分98120円を合わせて、合計28万3672円(赤囲み)となりました。

自己負担限度額は被保険者の収入によって変わります。詳しくは健康保険組合や国民健康保険の「高額療養費制度」についてをお調べになって下さい。また、カテーテルアブレーション治療は必ず高額医療になりますので、事前に「 限度額適用認定証」を用意することをおすすめします。これがないと、3割負担の場合約70万円程度(自費分別途)を病院で支払うことになります。(限度額を超えた分は後で戻ってきますが、申請が必要で3カ月以上かかります。)「 限度額適用認定証」は健康保険組合の場合は職場の事務担当者を通して、国民健康保険の場合は区役所や市役所の担当部署で発行してもらえます。

今回はちょっと贅沢をして個室を選びました。かかる費用は1日15000円、5日分で75000円でした。「東京ハートリズムクリニック」の場合、大部屋ですと室料差額はかかりません。大部屋でも特に不便ではないと思います。ただ、手術日はゆっくりしたいですし、個室の場合は部屋にトイレとシャワーがついているので大変快適です。

診断書2通をお願いしたのは生命保険の給付金の申請のためです。医療保障のついた生命保険に加入している場合は、「入院給付金」「手術給付金」の対象となります。ご自身の入られている保険の内容を確認してみて下さい。以前の保険では入院5日目からとかが主流でしたが、最近では1泊2日や日帰り入院も給付対象であるものが多いです。

いかがでしたか。下世話なお金の話でしたが、どうかご参考になさってください。

退院翌日

こんにちは。くま次郎です。3月31日土曜日。退院の翌日です。

土曜日で仕事は休みなので、朝遅く9:00頃まで布団の中です。冷凍ピラフをチーン!って炭水化物ばかりの食事は入院中より不健康です。野菜をもっと摂らないといけませんね。

腹ごしらえを済ませたら、PCに向かいWordPressのインストールとブログづくりを開始。5日間の入院の様子などを記念にまとめておこうってわけです。

あれれ?胸の調子が少し変だな。。脈がトク.トク.ト.ト..って乱れてる。心房細動みたいですが、30秒も続かずに元に戻りました。ハ~良かった~。AF大王様が出てきたいけど出てこれないみたいな、くしゃみが出そうで出ないに似たような状況です。

術後これまで単発の期外収縮を自覚するのが数時間に1回あるものの、心房細動はありませんでした。しかし、5日目になって「心房細動」らしきものを自覚しました。ただ、長さは30秒弱で以前の数時間のものに比べるとごく短時間です。

先生から説明がありましたが、アブレーション後の心房の中は火傷をした状態で水膨れなどがあるため、一過性の心房細動が発生しやすいらしいです。1カ月程度はそういう状況らしいので、過度に心配せず様子を見ることにしましょう。

余談ですが、「東京ハートリズムクリニック」の病室ほか各部屋にはシャープのプラズマクラスターが設置されていました。お部屋の空気をキレイにする配慮はうれしいですね。

 

入院4日目・5日目(退院)

3月29日木曜日。入院4日目です。

朝5:30頃に目が覚めます。洗面・歯磨きをしてテレ朝のグッドモーニングをみながらのんびり...今日は何があるんだろう?今日も外は良い天気です。

 

7:40 朝食です。今日はおにぎりです。1個ですが、サラダがあるので十分です。

体調チェック(体温・血圧・SPO2・脈拍・創部の確認)以外には検査などありません。暇で時間を持て余します。シャワーを浴びてスッキリ。あとはゴロゴロしながらテレビです。ちょっと汚いですが、参考までに傷口の写真を貼らせて頂きます。写真右下はマル秘です【閲覧注意】

術後傷口が痛くて辛いということはありません。しかし、押すと痛みますので、シャワーの時はそっと洗います。

12:00 お昼ご飯です。お年寄り向けのメニューですね。

午後も検査等なく暇です。やはり何冊か本を用意しておけば良かったな~。テレビとスマホだけでは飽きてしまいます。飲み物とお菓子を買いに隣のセブンイレブンに行きました。

18:00 夕食です。夕食は特別食と書いてあります。品数は豊富です。

18:30 先生から経過の説明がありました。画像や心電波形を示し、左・右肺静脈と上大静脈の3カ所を焼灼した旨の説明があり、合併症の注意や今後の生活についての注意がありました。お酒は1カ月我慢で、その後も控えめに..。画像、心電波形、レントゲン写真、血液検査の結果などを冊子にまとめたものを下さいました。こちらの病院では資料を用意して詳細な説明をして下さいます。

明日は退院です。前祝いってことで、ノンアルコールビールとさけるチーズでかんぱ~い。術後3日目ですが、1度も心房細動発作は起きていません。「カテーテルアブレーション」の効果でしょう。

 

21:00消灯。おやすみなさい。

3月30日金曜日。入院5日目。

おはようございます。5:30頃に起床。洗面・歯磨き後はテレ朝グッドモーニングです。今日退院できるかと思うとルンルンです。

7:30 朝食です。この日はサンドイッチとクラムチャウダーでした。

 

食後は服に着替えて帰りの準備をします。来る時と同様に大きなバッグはパンパンで重いです。ちょっと名残惜しいですね。色々とお世話になった看護師さんは6人くらいでしょうか。皆さん親切でした。

9:30頃 お会計の準備ができました。1階受付にて、約28万円程でした。クレジットカードで支払いができるんですね。確かに大きなお金なので現金では不用心です。医療費についての詳細は別の機会にお話しさせて頂きます。「大変お世話になりました」看護師さんや受付の方にお礼を言って病院を後にします。また、1カ月目の診察でお会いしましょう。本当にありがとうございました。